ガーリング シングルマスターシリンダー について

                    
古い英国車の場合、ブレーキパーツは殆どの車種がロッキード又はガーリングのパーツを使っています
このブレーキの油圧系統ですが、現在ではデュアルサーキットあるいはそれ以上安全に作られています。 
デュアルサーキットと言うのは、一般的にはタンデムマスターシリンダー(油圧発生機能を縦に二つ並べた形)を用いて油圧系統を前後に分け、どちらか一方にトラブルが発生しても他方が機能する、と言うものです。
デュアルサーキットではないシングルサーキットの場合には、一箇所でも油圧漏れがあるとブレーキが効かなくなってしまいます。
このデュアルサーキットが一般的になったのは米国では1968年頃から日本でも1970年頃からだったと思いますが、英国では一部高級車を除きMG ロータスを含む多くの車が70年代半ば近くまでシングルサーキットのままだったようです、ただ米国向け輸出車両はデュアルサーキットになっていたようです。
シングルサーキットでも日頃点検をしっかりしていれば安全性に問題が有るわけではありません
ただ極稀にガーリング製シングルマスターシリンダーに不具合が発生する場合があります。 これは、突然なんの前触れもなくペダルが床まで入ってしまいブレーキが効かなくなる、というもので、慌ててペダルをダブルと直ぐに正常に戻るというものです。 点検しても、フルード漏れ,量などに全く問題ありません。 この様な不具合を過去10年間に当ガレージのお客様5人が経験されました,私もつい最近ブレーキではありませんがクラッチで経験しました、幸い全て事故にはなっていませんが注意が必要です。
この不具合は前記の様に全てガーリングのシングルマスターシリンダーで発生しており、ロッキードでは発生していません。 原因は良く判りませんが、多分ロッキードとガーリング機構の違いによるものでわないかと思われます。

左の図が各々の構造ですが、左側がロッキード 右側がガーリングとほぼ同じ構造です。
ロッキードの場合ピストンが押されてピストンカップがコンペンセーティングポートよりも前に行くと油圧が発生します。ガーリングの場合はピストンが押されると先ずインレットチェックバルブが閉じリザーブタンクとの通路が断たれ更にピストンが押されると油圧が発生します。 不具合の原因は多分、何らかの原因でインレットチェックバルブが密着不良を起こし、リザーブタンクへの通路が開いたままとなり、ピストンが前に進んでもシリンダー内のフルードをリザーブタンクへ押し戻すだけで油圧が発生しないのだはないかとおもいます。
因みに、MGを含めたBMC系の車にはガーリングはあまり使われていません、ただロータス ジネッタ系は殆どがガーリングを使っている様です。