A タイプエンジン リヤーオイルシール コンバージョンキット


 一般に古い英国車のエンジンにはオイル漏れがつきものと言われています。個体差はありますが、身の回りで殆どオイル漏れをしていない車を探すのは非常に困難と言うのが実際のところです。多少オイルが漏れても、漏れたオイルが廻りのボディーに付着して,錆,腐食を防ぐ効果が有る、と言ったような半ば諦め似たような見方もありますが、漏れない事に超した事はないのは確かです。
漏れる原因は、加工精度の問題など色々有るのでしょうが、一つの原因としてエンジン後部、言い替えるとクランクシャフト後端のシールの問題があります。 現代のエンジンはその部分にリップタイプのオイルシールを使っていますが、この部分にこのタイプのオイルシールが英国車に限らず一般的に使われるようになったのは詳しく調べた事はありませんが多分1960年代半ば以降ではないでしょうか。
それ以前のエンジンの場合、シールが全く使われていなかったり(漏れ難いような構造にはなっていますが)、使われていても石綿のような材料を用いた通称ロープシールと言ったあまりシール効果の期待出来ない構造になっています。 例えば、MGのBタイプエンジンの場合、3ベアリングのエンジンにはオイルシールは使われていません、5ベアリングになってリップタイプのオイルシールが使われました。Aタイプエンジンの場合は最後までオイルシールは使われていません。 又、ロータスT/Cエンジンの場合1967年頃迄の通称Mk1エンジンにはロープシールが使われており、ある程度のオイル漏れはやむを得ない,と言うのが定説になっています、それ以降のエンジンにはリップタイプのシールがつかわれています。
さて今回MGミジェットでエンジンのオイル漏れが尋常ではない、と言う車が修理に入りました。
点検したところ、やはりエンジン後部からの漏れではないかと思われました、しかしこの部分についてはこれと言った修理方法がなく悩んでいた処、英国のパーツショップからAタイプエンジン用のリヤオイルシールコンバージョンキットなる物が有る、と言う話を聞き早速取り寄せて使ってみました。 

 左上の写真がキットの内容、下の写真が取り付けた様子です。
 基本的にはボルトオン取り付けできるように出来ているようです
 場合によっては機械加工が必要になるようです。
 
シールのリップ部が下の写真のようにクランクシャフト後端フラ
 イホイール
取り付けフランジの外周に当たるのですがその
 周の平面度などがあまり良くない場合には研磨する必要があり
 ます。又、詳しい説明は省きますが、場合によっては一番後ろ
 のメインベアリングキャップも機械加工が必要になります。この
 ような場合エンジンを分解しクランクシャフトを取り外す必要があります。
 
                        
 今回のエンジンの場合もクランクシャフト及びベアリングキャップの
 
加工をおこないました。                              
 試運転したところ、結果はまずまずのようです。
 オイル漏れが気になる方、エンジンをオーバーホールするよう
 な機会があったら取り付けてみてはいかがでしょう。